ポートフォリオを作ったのに案件が来ない──スクール後の制作者に多い原因と対策
スクールを卒業して、ポートフォリオサイトも作った。でも案件が来ない。
この状況で多くの人が「ポートフォリオの質が足りないのかな」と考え、作り直しに入ります。結果として、半年経ってもポートフォリオを更新し続けているだけで、1件も受注できていない──というパターンは珍しくありません。
ポートフォリオの品質は確かに大事です。ただ、案件が来ない原因はそこだけではありません。この記事では、スクール後の制作者が陥りやすい「案件ゼロ」のパターンを4つの視点から分析し、それぞれの対策を具体的に整理します。
案件が来ない原因は「ポートフォリオの質」だけではない
原因1:そもそも誰にも見られていない
ポートフォリオを作っただけで「公開した」と思っていませんか。
URLをTwitterのプロフィールに貼っただけ、クラウドソーシングのプロフィールページに載せただけ、という状態では、ほぼ誰にも見られません。SEOで上位表示されるまでには時間がかかり、SNSのフォロワーが少ければ流入はほぼゼロです。
「見てもらう導線」を意図的に作らないと、どれだけ良いポートフォリオも機能しません。
確認すること
- クラウドソーシング(クラウドワークス・ランサーズ)に登録し、プロフィールにポートフォリオURLを記載しているか
- SNS(X・Instagram)で制作物を投稿しているか
- 知人・前職の同僚に「Web制作の仕事を始めた」と直接伝えたか
対策
まず「既存の人脈への告知」が最速です。SNSフォロワーがゼロでも、連絡先に100人いれば、そのうち何人かがWeb制作を必要としているか、必要としている人を知っています。人脈への告知は即効性が高い方法の一つです。連絡先の数と関係の質によって効果は異なりますが、最初に試す価値のある行動です。
原因2:ポートフォリオの「見せ方」がターゲットとズレている
ポートフォリオの品質に問題がないのに案件が来ないケースで多いのが、「誰向けに作ったのかわからない」という状態です。
スクールの課題として作ったサイト(架空の飲食店・美容室など)を並べているだけでは、実際にお金を払おうとしているクライアントには刺さりません。クライアントが見ているのは「自分の業種・規模感のサイトを作れるか」です。
確認すること
- ポートフォリオに「誰向けに作れるか」が明記されているか
- 架空サイトしか掲載していないなら、その旨と「このクオリティで制作可能」という説明があるか
- 制作の工夫・意図(なぜこのデザインにしたか)が一言でも書かれているか
対策
ターゲットを絞るのが効果的です。「飲食店専門」「士業・コンサル向け」など、ジャンルを絞ることで「この人なら自分の業種を分かってくれそう」という信頼感が生まれます。架空サイトで構わないので、狙いたい業種のサイトを1〜2本追加するだけで印象は変わります。
原因3:単価設定が「怖くて安すぎる」か「相場を知らなすぎる」
初案件を取るために極端に安くする人がいますが、これは逆効果になることがあります。「1万円でLP制作します」と打ち出すと、品質への不安を感じるクライアントが逆に敬遠するケースがあります。また、格安案件には要求が細かく対応が難しいクライアントが集まりやすい傾向があります。
一方で、相場を知らずに高すぎる単価を設定してしまうケースも初心者にはあります。
以下は実務の中で話題になる単価感の目安です。実績ゼロの段階では、同等の単価で受注できるかは案件の性質・競合・クライアントによって大きく変わります。クラウドソーシングの公開案件や先行制作者のnoteなどで自分でも確認してください。
スクール卒直後の目安となる単価感(参考値)
| 制作物 | 単価の目安 |
|---|---|
| コーポレートサイト(5〜7ページ) | 15〜30万円 |
| LP(1ページ) | 5〜15万円 |
| WordPress構築(テーマカスタマイズ) | 10〜20万円 |
これらはあくまで参考値です。実績ゼロの段階では相場の下限付近からスタートするのが現実的ですが、「0円〜」「格安」という打ち出し方は長期的にブランドを傷めます。
対策
「初回限定価格」として通常単価の6〜7割に設定し、「実績掲載の許可をいただく代わりに初回は特別価格」という提案が機能しやすいです。実績ができれば通常単価に戻します。
原因4:営業を「待ち」にしている
ポートフォリオを作って公開した後、「応募が来るのを待つ」状態になっていませんか。
Web制作の需要はどこにでもありますが、クライアント側から探してくれるわけではありません。特にスクール卒直後でSNS発信の歴史が浅い段階では、受け身の営業だけでは案件は取れません。
確認すること
- クラウドソーシングで週何件、提案文を送っているか
- 直接営業(知人への連絡・SNSでのDM)をどれくらいやっているか
- 地元の商工会・異業種交流会など、リアルの接点を試したか
対策
提案件数は自分のペースに合わせて設定するとして、まず優先すべきは提案文の精度です。件数をこなすことより、案件ごとに「この会社の課題はこれで、自分ならこう解決できる」という一文を入れた提案文を作ることが採用率に直結します。最初の採用率は低くなるのが普通ですが、件数をこなすことで自分の採用率のパターンが見えてきます。
まとめ:案件が来ない人が今週やること
| チェック項目 | できているか |
|---|---|
| クラウドソーシングに登録してプロフィールを完成させた | □ |
| ポートフォリオに「誰向けに作れるか」を明記した | □ |
| 知人10人以上に「Web制作を始めた」と連絡した | □ |
| 今週、提案文を5件以上送った | □ |
| 単価設定の根拠(相場感)を調べた | □ |
ポートフォリオの品質を上げることは大切ですが、上のチェックリストが全部できていない段階では、作り直しは後回しにしてよいです。まず「見てもらう→提案する」の行動量を上げることが先決です。
チェックリストをひと通りこなして提案を続けると、次第に「提案文の質をどう上げるか」「クライアントとのやりとりで詰まる」という別の壁にぶつかります。その段階で、同じ経験をした制作者と話せる場が機能します。WordPress制作者向けのオンラインコミュニティTOFUラボは、そうした実務上の壁打ちができる場として活用できます。